
今回、実践的にPLCラダー回路の作成方法を紹介するにあたって、 まず、本記事の仕様書編とデバッ編は共通となっていますが、プログラミング編は2種類の方法グを紹介しています。
1.大体の人が作成している一般的なPLC回路の
・従来方式
と、これを理解した上で、
2.弊社がおすすめするPLC回路である
・ステージ選択方式(本記事)
と進んでそれぞれ参照して頂ければ、大容量のラダー回路もより簡単に作成することが可能と思います。
生産現場において、その機械設備がラインやラインの一部であっても、単体の設備であったとしても、必ず、半自動、全自動に限らず、シーケンス制御が使われています。
シーケンス制御には、主にリレーが使われますが、近年ではこれがPLCという制御機器にとって代ってきています。

電気設計者の作業概要!!
制御における”回路図”は、会社により“展開接続図”と呼ばれることも多くあります。
制御における回路図は、制御盤、操作盤、装置(M/C)に取付けの全ての電気に関する接続が書かれたものになります。
全ての部品に部品番号、全ての配線に線番号が割り振られ、回路図上にも、実部品、配線のも記載されています。
これにより、制御盤、操作盤、中継BOXなどの製作図、実態配線図や実機、及び盤間の配線図の設計が、可能となります。
また、加えて今後の検査やメンテナンスが可能となります。
PLCやパソコンが使われなかった時代のリレー(マグネットリレー)回路が主流だった頃は、数ページから数10、数100ページにも及ぶリレーシーケンス回路が描かれており、制御盤自体もかなり大型なものもありました。
しかしながら、シーケンス制御に"PLC"や"専用ボードコンピューター"、あるいは"パソコン"が使われるようになってからは、このリレーシーケンスの回路図の部分がほぼなくなることとなり、電源回路を除けば機器の接続図の様な形になることが多くなっています。
これらの場合、PLC使用時ではリレー回路と同じシーケンスをラダー図としてソフトウェアで記述し、またはパソコンや専用ボードコンピュータの使用時では、CやJAVA言語などで制御プログラムを作成するようになっています。
回路図作成準備
下記に、基本的な電気の設計における回路図について、図1~図6の回路図例を示し概要を説明していきます。
まず、電気回路設計者は、M/C(マシン)の動きや客先の要求、使用などを完全に理解する必要があります。
適当にすすめると後で変更が多発し、まともな回路図は出来ません。
まず、客先の仕様書を読んで理解する。
M/C(マシン)設計者、メカ設計者と打ち合わせを行い、M/Cの構造、動作を理解する。
動作タイムチャートをメカ設計者もらうか、ないならば、打ち合わせ後にこちら側から作って確認する。
まず、今回説明のターゲットのM/C(マシン・機械)は、下記の図1に示す様な外観で、アクチュエーター8往復(出ー戻り、前進-後退、上昇ー下降等々で 16動作)、それぞれの動作端位置検知(光電センサ)16個を使用したものを想定したものとします。
実際にどの様な手順で、設計を行い、プログラムを作成していくのでしょうか?
大きく分けて、下記の3項目となります。
1.仕様の確認・作成作業について(1/3 仕様書の作成編)
2.ラダー回路プログラムの作成について(2/3 プログラミング編)
3.実M/C(実機)で動かす前にラダー回路プログラムに間違いがないかを検証(3/3 デバッグ編)
本ページの『PLCラダー回路プログラムの作成1/3(仕様書の作成編)』では、仕様書の作成について、プログラムの作成前に最も重要な準備について具体例をあげて説明しています。
上記の仕様書の詳細検討や仕様をプログラムに必要な資料としてまとめるという作業は、時間もかかり、面倒なことからおろそかにする人が多いことが見受けられます。この時間が無駄だと考え、時間短縮としていきなりプログラムの作成作業を進めると後々様々な問題が発生し、仕様変更、また仕様変更の連続で、つぎはぎだらけのプログラムとなり、後に不具合が発生しても正確な理解が難しく、手に負えないものになりかねません。
PLCのラダー回路プログラムの作成に必要な仕様を詳細に決める
動作させるターゲットM/Cの装置外観(参考例)
今回制御したいM/C(ラインの一部だったり)を参考例として下記の様な外観とするとします。

【 図1】ターゲットM/C
機械設計者と打ち合わせを行い、機械の概要を知る。
1.外観
メカ設計の担当者は、機械の設計を行うときに、全体図という外観図面を作成し、ばらしの図面を作成し、各加工図面や部品を手配します。したがって、全体図をもとに、電気制御設計の担当者と打ち合わせを行うことが一般的です。
2.仕様
マシンの仕様、機能、特徴などの確認、また注意点も打ち合わせの中で聞いておきます
電気制御を含めたシステム構成全体について
どの様なアクチュエータを使用して、どの様なセンサーを使用するか
機械の動作タイムチャートについて
タイムチャートを提出してもらえばベストだが、意外と出ないので詳細を聞き出し、電気の設計者がまとめる場合も多い
設備の動作順序などの仕様決め、リスクアセスメントからセンサー、サーボ、制御盤位置、操作盤などの情報を知る
※リスクアセスメントとは、リスクの特定・分析・評価といった一連のプロセスである。
電気設計を担当する立場からボールネジや減速比のピッチ・ギア比を知り、モータ類もサーマルリレーやインバータの設定確認のための型式確認、センサーやソレノイドバルブ類の型式を確認します。
電気設計は、ハードウェア設計とソフトウェア設計に分類することができます。
ハードウェア設計
PLC周辺機器の選定と配線の設計を行う
電気回路図、電気制御部品の選定と部品表の作成、部品図・板金図作成、原価計算、制御盤や操作盤のレイアウト設計、ハーネス設計
ソフトウェア設計
ラダー言語にてPLCのシーケンス制御プログラムを作成を行う
シーケンス制御プログラム作成、画面ソフト(タッチパネル)の作成、デバイスマップ作成、サーボパラメータ調整、立ち上げ・デバッグ作業、操作説明書、操作指導
機械設計やハード設計は一度組立てが始まってしまうと変更が難しいですが、ソフトウェアには変更が容易と言う特徴があります。
そもそも変更が容易というのがPLCのメリットです。
だからといって、ハード面で発生した不具合を全てソフトで吸収できるものではありません。
詳細な仕様決め
詳細な仕様決めの手順を以下に示します。
システム構成の決定
上記の機械設計者との打ち合わせに基づき、電気制御の観点からシステム構成を作成します。
制御盤、操作盤、M/Cの内容(電磁弁、モーター、リミットセンサー)などの制御の全体構成を決定します。

【図2】 システム構成図
PLC入出力回路割付表の作成
制御に必要な各入出力をPLC端子のどこに割付けるかを決めます。
システム構成図に基づいて、PLC対する入出力割付表を作成する。
入力
制御に必要な各入力(操作盤取り付けの押し釦SWやM/C内の各アクチェーターの動作位置に取り付けされるリミットセンサーなど)をPLC入力端子のどこに割付けるかを決めます。( 例えばX000~X017に接続など)このX000~X017を記号としてこれから作成するラダープログラムで各入力の記号として使用していくことになります。もちろん、各記号は名称を決めることが出来ますので扱う上で同時に表示されます。
各入力を割り付けると下記の表の様になります。

【 図3】入力割付表
出力
制御に必要な各出力(操作盤等表示灯、及び空圧シリンダ(アクチュエータ)などに使用される電磁弁(ソレノイド)など)をPLC出力端子のどこに割付けるかを決めます。( 例えばY000~Y017に接続など)このY000~Y017を記号としてこれから作成するラダープログラムで各出力の記号として使用していくことになります。もちろん、各記号は名称を決めることが出来ますので扱う上で同時に表示されます。
各出力を割り付けると下記の表の様になります。

【 図4】入力割付表
自動運転動作の仕様決定
タイムチャートを提出してもらえばベストだが、意外と出ないので詳細を聞き出し、電気の設計者がまとめる場合も多い。
ラインの一部となるM/Cを含め、多くのM/Cは、スタート信号により自動運転を開始します。
この自動運転の仕様は、口頭や記憶ではなく、シーケンスタイムチャートなどで必ず図面化して仕様を明確に決定します。
この打ち合わせや取り決めがあらかじめしっかりまとめられているかどうかが、後の設計作業がスムーズに進むかどうかに大きくかかわります。もし、あいまいなまま作業が進められると多くの修正、重大なミスが発生し、しいてはプログラムも作成者ですら理解が難しい内容、バグの含んだ内容のものになってしまいかねません。
【 自動運転時動作タイムチャート】

【 図5】自動運転時動作タイムチャート(仕様書)
回路図作成例
M/C制御の回路設計の図面としては、おおよそ下記の通りとなります。
※ただし、本記事において各図の内容は適当に近いところを集めて参考図として紹介していますので、入出力が異なっています、あくまで参考と考えてください。
1.電源回路
主電源の受け、電源入り切りの操作回路、各ユニットへの電源供給回路など
2.主コントローラ接続回路
・I/O入出力接続回路
・通信ユニット入出力接続回路
・モーター制御ユニット入出力接続回路
※モータ制御は、3種類
出力回路から直起動し、入力回路のセンサーにより停止などの制御を行うもの
増設のコントローラユニットで制御するもの
専用のモーターコントローラと通信にて制御を行うもの
3.自立型のモーターコントローラー等の接続図
4.外部へのインターフェース回路
前後のM/Cや必要な機器への信号の有接点出力
※ただし、無接点出力や入力は、主コントローラのI/O入出力接続回路へ直接接続される
1.電源回路

図1 電源回路
<保護回路を施した主電源回路(図1の電源回路)>
電源回路の各ブレーカーは、それ以下にぶら下がる配線を必要最小限の容量のサイズにダウンさせるための配線の保護と各機器の異常電流を検知することにより起こりうる破損、異常動作を出来る限り阻止するものです。
その他、電源回路で必要な構成部品としましては必要に応じて、絶縁トランス、ノイズカットトランス、ノイズフィルター、サージキラー、DC電源等を使用します。また、サービスコンセントや盤内照明なども試運転時や今後のメンテナンス時の為にお勧めです。
図1の電源・操作回路は、PLC、パソコン、サーボコントローラ複数台の構成した場合の参考例です。
規模が小さくなれば、コスト、制御盤の大きさの観点から回路を簡素化する必要も出てきますが、安全上、または動作上に問題が無いように十分考慮することが重要です。
<安全な操作回路(図1の操作電源回路)>
漏電ブレーカーなどで受電したAC電源を図1の"操作電源回路"とコメントしています電磁接触器などの接点により、全体の回路に供給します。操作電源回路は、安全上、または規格上DC電源回路で構成し、電源ON押ボタンスイッチを1プッシュすことにより自己保持、同時に主回路開閉用電磁接触器により各パートへ電源を供給します。オペレーターが操作する部品には、危険電圧(AC65V以上)を使用する回路であってはならないとされています。危険電圧は、規格により若干異なりますが、したがって。DC24Vか、DC12Vを使っておくのが良いかと思います。
危険電圧(Hazardous voltage)
ある一定の値を超える電圧。(規格により異なる) 例)IEC60950-1規格では42.4Vpeak又はDC60Vを超える電圧。 IEC61010-1規格では46.7Vpeak又はDC70Vを超える電圧。
<パソコン、PLC、各種コントローラへのノイズを考慮した電源供給回路、コントローラなどの電源供給回路)>
ノイズを考慮した部品配置、及び配線、特にパソコン用の電源、PLCの電源やコントローラーの電源は、各々独立させたノイズフィルター、サージキラーやDC電源を介して供給します。また、これらの外部に引き回される入力用のDC電源と出力のDC電源は別電源とし、またこれらの配線も近くを並走しない様に出来る限り距離をおきます。出力電源ラインから入力ラインへのノイズの影響を最小限とする様にします。
※ただし、装置の設置環境や機器構成内容により、さらに主電源の入力に絶縁トランスやノイズカットトランスを使用したり、さらにパソコンやコントローラの元にノイズカットトランスを入れることもあります。
PLCでは、内蔵の入出力端子に加えて、増設ユニット、および必要に応じて通信返還ユニットを接続します。
パソコンでは、入出力拡張ボードや拡張通信ボードに加えて必要に応じて通信返還ユニットを接続します。
3.PLCの入力ユニット、またはのパソコンに取り付けのI/O拡張ボードの入力接続回路
シーケンス制御では、基本的にリレーを数多く使い、機器を動作させます。以前は、300~500個以上も使用した制御盤を複数台使うことも当たり前でした。
時代も変わり、(PLCの歴史は別記事を参照してください)
現在では、リレーが10個~20個程度でもスペースやコスト面でもPLCを使用する時代です。
リレーシーケンスの代わりにラダー回路なるプログラムを作成し、アップロードする必要があります。
ラダー回路は、以前のからのリレー回路に近い組み方なので、多くの人に受け入れられました。



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図3は、パソコンに収納されたI/O拡張ボードの入力、またはPLCの入力ユニットの接続回路です。押しボタンスイッチ、センサー入力、外部からのデジタル信号などが接続されます。
4.PLCの出力ユニット、またはのパソコンに取り付けのI/O拡張ボードの出力接続回路
同上の内容の出力部です。


図4 <I/O拡張ボードの入力、またはPLCの入力ユニットの接続回路>
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図4は、パソコンに収納されたI/O拡張ボードの出力、またはPLCの出力ユニットの接続回路です。小型電磁弁、表示灯、制御盤盤内のミニチュアリレーなどが接続されます。
※小型電磁弁やミニチュアリレーはサージ回避ダイオード付の物を使用必要があります。大型の電磁弁や一部の電磁接触器につきましては、直接続は避けた方が無難な部品もあります、この場合、一旦ミニチュアリレーで受ける方法をとります。
7.PLCラダー回路(参考回路)
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8.PLCラダープログラムの作成について
下記の記事では、PLCラダープログラムの作成について、仕様書について、ラダープログラムの作成、デバッグについて具体的に説明していますので閲覧してください。

従来型のPLCラダー回路の作成方法については、こちらの記事に移動し、続いて参照下さい。
【 注意事項】
取り上げたアクチュエーターは、電磁弁、または電動シリンダなどの直動端動作のシーケンス制御回路です。
各ドライバーを介して動作させるアクチュエーターなどの場合は、各ドライバーの仕様、使用方法(I/O制御、通信制御)で対象の回路位置に追加、修正をすることで対応します。
今回上位への通信やモータードライバーなどへの通信は本説明の理解を優先しページ量削減の観点から使用しておりません。(本回路図に追加・修正する形での説明を別途資料を作成予定です)
作成するラダー回路プログラムの完成全体図
はじめに、今回作成を進めていくラダー回路図プログラムの下図は出来上がりの全体図です。
本ページでは、この回路図の作成を順次説明しながら進むことで解説していきますので、ラダー回路の理解と設計方法の参考としてください。
特に、3項で示すとおり、赤線四角囲み数字のところの説明位置をピックアップして説明しますが、ピックアップしていないところも同様な考え方なので、回路図全体を理解することが出来ると思います。

本ラダー回路図は、実際は各メーカーのプログラムにより表示のされ方が少し異なります。
(例えば、内容は異なりますが、この様です。→参考例(PDF))
ラダー回路プログラムの説明位置(赤線四角囲み数字の位置)について
下記のPLCラダー回路プログラムの全体において、赤枠の箇所を代表に説明していきます。

【クリックにて、PDF表示】
1-1:自動運転開始、停止
2-1:チャック開自動手動駆動回路
2-2:チャック開補助回路(状態記憶回路など他)
2-3:チャック閉自動手動駆動回路
2-4:チャック閉補助回路(状態記憶回路など他)
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| プッシャー ~ ステージ迄の
| アクチュエータ回路説明省略
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3-1:イジェクター出自動手動駆動回路
3-2:イジェクター出補助回路(状態記憶回路など他)
3-3:イジェクター戻自動手動駆動回路
3-4:イジェクター戻補助回路(状態記憶回路など他)
4-1:自動運転終了判断
End:PLCラダー回路の終了記号
以降、上図xxに示す赤枠Noのところを代表としてピックアップして解説していきます。
回路図説明位置に対応するシステム構成図対応位置
制御盤、操作盤、M/Cの内容(電磁弁、モーター、リミットセンサー)など、赤枠の箇所を代表に説明していきます。
【制御システム構成図】

【 図2】
回路図説明位置に対応するPLC入出力割付表対応位置
PLCラダープログラムを作成するにあたっては、プログラムの各入力(操作盤取り付けの押し釦SWやM/C内の各アクチェーターの動作位置に取り付けされたリミットセンサーなど)と各出力(操作盤等表示灯、及び空圧シリンダ(アクチュエータ)などに使用される電磁弁(ソレノイド)など)をプログラムで扱える様に決めてあげる必要があります。
入力は、X000~X047、出力は、Y000~Y022 の端子に割付けて接続するとX000~、Y000~の記号で使用することが出来る様になります。
回路図説明位置に対応するPLC入力割付表対応位置
入力は、操作盤取り付けの押し釦SWやM/C内の各アクチェーターの動作位置に取り付けされたリミットセンサーなど、赤枠の箇所を代表に説明していきます。
上図、図1の構成図において、PLCに接続される入力は、操作盤の押し釦、及びなどです。
これらの各入力をPLC出力端子に割付けられた 例えばX000~X017に配線で接続します。このX000~X017を記号Noとしてこれから作成するラダープログラムで各出力として使用していきます。
【PLC入力割付表】

【 図3】
回路図説明位置に対応するPLC出力割付表対応位置
出力は、操作盤取り付けの表示灯、照光式押し釦の表示灯や電磁弁(SOL)の動作信号など、赤枠の箇所を代表に説明していきます。
上図、図1の構成図において、PLCに接続される出力は、操作盤等表示灯、及び空圧シリンダ(アクチュエータ)などに使用される電磁弁(ソレノイド)などです。
これらの各出力をPLC出力端子に割付けられた 例えばY000~Y017に配線で接続します。このY000~Y017を記号Noとしてこれから作成するラダープログラムで各出力として使用していきます。
【PLC出力割付表】

【 図4】
回路図説明位置に対応する動作タイムチャート対応位置
自動運転時どの様な動作をさせたいか
自動運転のシーケンスタイムチャートなどの動作仕様が必要となります。
口頭や記憶ではなく、必ず図面化して仕様を明確に決定します。
【自動運転時動作タイムチャート】

【 図5】自動運転時動作タイムチャート(ステージ選択方式プログラム作成)
ラダー回路図プログラム作成5方法の説明
ラダー回路図プログラムの説明において、[1-1]、[2-1]~[2-2]、[3-1]~[3-2]、[4-1]~[4-2]、[5-1]~[-2][End]は、上記の全体回路図、IO割付表、タイムチャート、および下記のラダー回路図プログラム作成方法の説明に記載の記号に対応するものです。各図の支持位置を一致参照しながら理解を願います。
※下記の回路図で修正箇所として、自動運転中は手動押釦がきかないように各手動回路ラインに自動運転中B接点を挿入予定。
下図の[1-1]において
運転ード手動自動SS1(セレクタスイッチ)X000②が自動モード側にセレクトつまりONで、自動運転起動押釦PBL1(押釦)X001①を押すと、自動運転中Y001出力④がONします。
これにより接点である自動運転中Y001出力⑤もONするので、自動運転起動押釦(PBL1)①X001がOFFしてもY001④はONを自己保持(セルホードとも言う)し、自動運転がスタートされます。
つぎに、Y001がONした立ち上がりのタイミング⑥でデータメモリD000にデータ”1”がセット⑦されます。
また、タイムチャート1シーケンスの最終説明にある回路[6-1]で自動運転中出力 Y001 がOFFされますが、この”Y001”の立下りのタイミング⑧で
⑨データメモリD000にデータ”0”(K0)がセットされ、
⑩補助接点M300~316をOFFし、
⑪ 補助接点M400~416をOFFし、
自動運転をOFFし、1サイクルを終了します。

下図の[2-1]において
下記の説明回路番号[2-1]はチャック閉の制御タイミング回路です。
データメモリD000の内容が"1"(K1)の時、
②補助リレーM300(チャック閉)をセットつまりONし、
③補助リレーM400((ストッパー出)をリセットつまりOFFし、
④データメモリD000の内容(値)をプラス"1"します。

下図の[2-2]において
下記の説明回路番号[2-2]はチャック閉の出力部の回路です。
この回路は
上段の①~③、⑥が手動回路(押釦による手動運転やメンテナンス時の個別動作など)で、下段の⑦”M300”は自動運転時に、チャック閉⑤をONする共有回路です。

下図の[3-1]において
下記の説明回路番号[3-1]はストッパー出の制御タイミング回路です。
データメモリD000の内容が"2"(K2)の時、チャック閉リミットSW LS1 X030②がONすると
③補助リレーM303(ストッパー出)をセットつまりONし、
④補助リレーM403(ストッパー戻り)をリセットつまりOFFし、
⑤補助リレーM100(タイマー起動)をセットつまりONし、
⑥データメモリD000の内容(値)をプラス"1"します。
そして、⑦補助リレーM100がONすることで、タイマーT000を5000msec⑧で起動します。

下図の[3-2]において
下記の説明回路番号[3-2]はストッパー出の出力部の回路です。
この回路は
上段の①~③、⑥が手動回路(押釦による手動運転やメンテナンス時の個別動作など)で、下段の⑦”M300”は自動運転時に、ストッパー出⑤をONする共有回路です。


下図の[4-1]において
下記の説明回路番号[4-1]はステージ下降の制御タイミング回路です。
データメモリD000の内容が"15"(K15)の時、タイマーT004 ②がタイムアップONすると
③補助リレーM406(ステージ下降)をセットつまりONし、
④補助リレーM306(ステージ上昇)をリセットつまりOFFし、
⑤データメモリD000の内容(値)をプラス"1"し、
⑥補助リレーM104(タイマー起動)をリセットOFFします。

下図の[4-2]において
下記の説明回路番号[4-2]はステージ下降の出力部の回路です。
この回路は
上段の①~③、⑥が手動回路(押釦による手動運転やメンテナンス時の個別動作など)で、下段の⑦”M300”は自動運転時に、ステージ下降⑤をONする共有回路です。

下図の[5-1]において
下記の説明回路番号[5-1]はイジェクター戻りの制御タイミング回路です。
データメモリD000の内容が"16"(K16)の時、ステージ下降リミットSW LS14 X045 ②がONすると
③補助リレーM407(イジェクター戻)をセットつまりONし、
④補助リレーM307(イジェクター出)をリセットつまりOFFし、
⑤データメモリD000の内容(値)をプラス1します。

下図の[5-2]において
下記の説明回路番号[5-2]はイジェクター戻りの出力部の回路です。
この回路は
上段の①~③、⑥が手動回路(押釦による手動運転やメンテナンス時の個別動作など)で、下段の⑦”M300”は自動運転時に、イジェクター戻⑤をONする共有回路です。

下図の[6-1]において
下記の説明回路番号[6-1]はイジェクター戻りの制御タイミング回路です。
データメモリD000の内容が"17"(K17)の時、イジェクター戻リミットSW LS16 X045 ②がONすると
③補助リレーM300~M316をリセットつまりOFFクリアーし、
④補助リレーM400~M416をリセットつまりOFFクリアーし、
⑤データメモリD000の内容(値)に”0”をセットし、
そして、自動運転中出力Y001をリセットつまりOFFします。

下図[End]において
下記の説明回路番号[End]はPLCのラダー回路図で終了の意味を持つお決まりごとの命令です。

本記事において出来上がったラダー回路図の動作
回路図の動きの動画はここをクリック
PLCラダー回路図が動作していく状況を電気が導通していく太い赤色線で表示しています。

プログラムをひと通り作成し終えたとしても、いきなりM/Cを動かしてみるというのは無謀なことです。
必ず、入念なプログラムのデバッグが必要です。デバッグの方法としては下記の2通りの方法があります。
・机上のデバッグ(シミュレーター装置を使わないず、回路の動作を図面上のみでおいかける)
・シミュレーター装置を利用したデバッグ
などがあります。
上記の机上のデバッグは、あくまでプログラムが正しいかどうかをもう一度コーディングレベルで確認するということですので単純なミスや大きな勘違いなどを見つけてこれを修正するということにとどまってしまいます。従って、プログラム規模がかなり小さい場合には効果があっても中規模や大規模の場合には向いていません。
一方、シミュレーター装置を利用したデバッグでは、そのシミュレータ装置がより実機に近ければ近いほど正確なプログラムのデバッグが可能となります。本記事では、筆者がプログラム作成時に特によく採用したシミュレータ装置を例にとって説明しています。
PLCのラダー回路プログラムの作成に必要なデバッグ
今回は、マシンのPLCラダー回路プログラムの設計を電磁弁の動作のみの例で説明していますが、実際、モーターの動作やその他の様々なアクチュエータが使用されており、それらの専用のコントローラーを使用したマシンが一般的です。
机上デバッグ
作成したPLCラダー回路プログラムのラダー回路やコードをタイムチャート図の順序に従って、机上(まさに机の椅子に座った状態)において、紙と頭の中で動きを想像しながら、まさにもう一度回路を作成するかのように正しいかどうかの確認を行います。
この時のラダー回路は、プログラミングソフトのPC画面だったり、印刷された複数ページ(数十~数百枚)の紙だったりします。
I/O数(入出力数)が多い場合は、回路のボリュウムが大きくなり複雑になりますので頭の中だけで回路を追いかけるのはむつかしくなります
シミュレーター装置を利用したデバッグ
下記に、シミュレータ装置の全体図を示します。
I/O(入出力)は、下図1のシミュレータBOX(下図2のシミュレータBOX外観図)を使い、センサーや押し釦などの入力のスナップスイッチを操作、電磁弁他、アクチュエータへのON動作出力は、LED表示の点灯で確認を行います。
通信関連のやり取りがある場合、実アクチュエーター単体(サーボアンプやモーター)を接続したり、代わりにパソコンで通信アクチュエータープログラムを作成して確認を行います。
ここでは、説明が複雑になるので、アクチュエータは電磁弁のみを想定して説明をしています。
センサーや押し釦などの入力がONの時はスナップスイッチを手動でONさせます。そしてその結果、電磁弁他、アクチュエータへのON動作出力はLEDの点灯や消灯を確認しながらデバッグを行っていきます。
自動運転は、図3の自動運転動作タイムチャートに従い手動にてスナップスイッチを操作し、LEDの点灯と消灯でアクチュエーターの出力の確認を行っていきます。

【図1】シミュレータ装置 構成図
下図は、上シミュレータ装置のシミュレータBOXの図の詳細図(スイッチやLEDの並び)です。

【図2】シミュレータBOX外観図
【自動運転動作タイムチャート】

【図3】自動運転動作タイムチャート
ラダープログラムの具体的なデバッグ方法
デバッグの操作は下記の項目について行います。
1.手動操作釦の確認
各手動操作釦を押し、対応するアクチュエータの出力をLEDで確認する
対象のアクチュエータ動作の結果のセンサーの動作端入力をスナップスイッチにて入力し、対応するアクチュエータの出力がOFFすることをLEDで確認する
2.自動運転動作の確認
自動運転起動釦等で起動される一連の自動運転動作を各アクチュエーターのON、OFF出力をLEDで確認しながら、対象のアクチュエーター動作の結果のセンサーの動作端入力をスナップスイッチにて入力し、次の動作を確認する
手動操作 押釦の確認
手動M/C(マシン)はもちろん、全自動運転のM/Cにおいても作業中の操作介入に対して各アクチューエータを操作できる操作盤が一般的に必要となります。また、M/Cメンテナンス時等にも必要です。
図2のシミュレータBOXのSW[5]~[20]をON-OFFして、対応するLED[3]~[18](アクチュエータの出力)の表示を確認する
この時、メカ的に干渉するアクチュエータが動作中、もしくは動作端にある時のアクチュエータ動作制限についての出力の確認を行う
※メカ動作におけるインターロックの確認
例えば、Aのアクチュエーターが原位置(戻り端)でない場合にBのアクチュエータは動作してはいけない場合など
この確認は、全アクチュエータに対して動作可否のインターロック表を作成し、行うのが確実です
以下、手動操作 押釦の動作確認はシミュレータスイッチBOXのSWの操作と対応するLEDの表示を確認、下記の手順で行う
操作手順1
チャック閉SW5をON → チャック閉LED3点灯(ON)
※(ONは上に倒して戻す、モーメンタリー操作)
チャック閉SW5をONした時にチャック閉LED3(PLCの出力)が点灯(ON)することを確認する
操作手順2
チャック閉端SW21をON → チャック閉LED3消灯(OFF)
※実際にメカが動作し動作端に移動した時にチャック閉LED3(PLCの出力)が消灯(OFF)することを確認する
操作手順3
チャック開SW6をON → チャック開LED4点灯(ON)
※(上に倒して戻す、モーメンタリー操作)
チャック閉SW6をONした時にチャック閉LED4(PLCの出力)が点灯(ON)することを確認する
操作手順4
チャック開端SW22をON → チャック開LED4消灯(OFF)
※実際にメカが動作し動作端に移動した時にチャック開LED4(PLCの出力)が消灯OFFすることを確認する
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⇩
操作手順5~26
プッシャー前進、後退~ステージ上昇、下降
(同様操作に付き、説明省略)
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⇩
操作手順27
イジェクター出SW19をON → イジェクターLED17点灯(ON)
※(上に倒して戻す、モーメンタリー操作)
イジェクター出SW19をONした時にイジェクターLED17(PLCの出力)が点灯(ON)することを確認する
操作手順28
イジェクター出端SW35をON → イジェクター出LED17消灯(OFF)
※実際にメカが動作し動作端に移動した時にイジェクター出LED17(PLCの出力)が消灯(OFF)することを確認する
操作手順29
イジェクター戻SW19をON → イジェクターLED20点灯(ON)
※(上に倒して戻す、モーメンタリー操作)
イジェクター戻SW19をONした時にイジェクターLED20(PLCの出力)が点灯(ON)することを確認する
操作手順30
イジェクター戻端SW36をON(上に倒す)→ イジェクター戻LED20消灯(OFF)
※実際にメカが動作し動作端に移動した時にイジェクター戻LED20(PLCの出力)が(OFF)することを確認する
自動運転 動作の確認
自動運転起動可能な条件で、自動起動釦(シミュレータスイッチBOXのSW2)を押して、自動起動がかかる(開始される)かどうかを確認する。 → 自動運転中表示LED1点灯(ON)
以後、自動運転の動作確認では、動作タイムチャートに従って各アクチュエータの出力のONーOFF表示から各アクチュエータの動作端リミットセンサーSW21~36を操作ONーOFFをし、自動運転がタイムチャート通り順次動作することを確認する。
操作手順1
自動運転起動するための各アクチュエータの位置を確認する
チャック開端LS ON(SW6)、プッシャー戻り端LS ON(SW8)、スライドバー後退端LS ON(SW10)、ストッパー戻り端LS ON(SW12)、台車後退端LS ON(SW14)、アーム下降端LS ON(SW16)、ステージ下降端LS ON(SW18)、イジェクター戻端LS ON(SW20)
上記位置を原位置とし、上位置でないアクチュエータは手動操作で上記位置にセットする。
また、この時すべてのSOL出力(LED3~18)がOFF(消灯)であることを確認する。
操作手順2
自動起動SW2 ON → 自動運転表示LED1点灯(ON)
自動運転起動スタートを確認する
操作手順3(図3 タイムチャート[1])
チャック閉SOL1A ON(図2シミュレータBox LED3点灯)を確認
操作手順4(図3 タイムチャート[1])
チャック閉端LS (図2シミュレータBox SW5)を手動操作で ON
操作手順5(図3 タイムチャート[2])
ストッパー出SOL4A ON(図2シミュレータBox LED9点灯)を確認
操作手順6(図3 タイムチャート[2])
プッシャー出SOL2A ON(図2シミュレータBox LED5点灯)、スライドバー前進SOL3A ON(図2シミュレータBox LED7点灯)を確認
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操作手順7~29 (図3 タイムチャート[2]~[14])
タイマーT001後、台車前進SOL5A ON
(同様操作に付き、説明省略)
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操作手順30(図3 タイムチャート[15])
ステージ下降SOL7B ON(図2シミュレータBox LED16点灯)を確認
操作手順31(図3 タイムチャート[15])
ステージ下降端LS(図2シミュレータBox SW34) ON
ステージ下降SOL OFF(図2シミュレータBox LED16点灯)を確認
操作手順32(図3 タイムチャート[16])
イジェクター戻SOL18B ON(図2シミュレータBox LED18点灯)を確認
操作手順33(図3 タイムチャート[16])
自動運転表示(図2シミュレータBox LED1)消灯(OFF)
自動運転1サイクル終了を確認すで


